「Shopifyで越境ECを始めたいけど、何から手をつければいいかわからない」
「海外向けにネットショップを作ってみたい」
「英語や発送など、難しそうで不安…」
越境ECはチャンスが大きい一方で、言語や物流、決済など日本国内とは異なる壁もあります。とくに初心者にとっては、どのツールを使えばいいか、どんな流れで進めればいいのか迷う場面も多いはずです。
結論としては、Shopifyを使えば、初心者でもスムーズに越境ECを始めることが可能です。多言語・多通貨対応、海外発送連携、そして豊富なアプリ群が、世界175か国以上で使われている理由です。
この記事では、Shopifyを使って越境ECを始めるための基本ステップや、海外販売に役立つツール・サービスを初心者にもわかりやすく解説します。国内販売との違いや注意点も丁寧に紹介しているので、海外にモノを売りたいと考えているすべての方におすすめです。
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越境ECとは？海外販売の魅力と現状
日本国内だけでなく、世界中の顧客に商品を届けられる「越境EC（Cross-border E-commerce）」は、今注目のビジネスモデルです。特にShopifyのようなツールを使えば、小規模事業者や個人でも海外市場への進出が現実的になっています。このセクションでは、越境ECの市場背景や魅力、日本製品の人気、国内ECとの違いを解説します。
越境ECの市場規模と成長トレンド
世界中でEC市場は拡大していますが、越境ECはその中でもとりわけ成長著しい分野です。特にコロナ禍以降、世界的にオンラインショッピングの需要が急増し、海外ユーザーが日本の製品を購入するハードルが下がりました。
Statistaによれば、世界の越境EC市場は2023年時点で5,000億米ドルを超えており、2027年には1兆ドルを突破するとも予測されています。ECで国境を越えた売買が一般化しつつある今、事業者にとっては無視できないチャンスです。
日本においても、経済産業省が発表する「電子商取引に関する市場調査」では、中国・アメリカなどを中心に、日本製品の海外需要が堅調に伸びていることが示されています。
日本の商品は海外で人気？売れ筋ジャンルを紹介
日本の商品は「高品質・信頼性・独自性」の3拍子が揃っているため、世界中で高く評価されています。とくに人気のジャンルは以下の通りです。
✅ 海外で人気の日本製品ジャンル
- 美容・コスメ：日本のスキンケアやヘアケア製品は、アジア圏だけでなく欧米でも人気
- 健康食品・サプリ：品質管理が徹底されており、信頼されやすい
- ファッション・アパレル：ユニークなデザインや高品質素材が支持される
- アニメ・キャラクターグッズ：オタク文化の世界的浸透により高需要
- 文房具・生活雑貨：使いやすく、機能美に優れている
特に中国、台湾、アメリカ、フランス、タイ、ベトナムなどの国々では、日本ブランドへの関心が高く、ECを通じた販路拡大に有望な地域と言えます。
国内ECと越境ECの違いとは
越境ECは国内ECとはいくつかの面で異なる特性があります。以下に主な違いを整理します。
| 項目 | 国内EC | 越境EC |
|---|---|---|
| 顧客ターゲット | 日本国内 | 世界中（主にアジア・北米・欧州） |
| 言語 | 日本語のみでOK | 多言語対応が必要 |
| 通貨 | 円 | 各国の現地通貨（ドル、ユーロなど） |
| 決済手段 | 日本のクレカ・コンビニ | PayPalやAlipayなど多様 |
| 物流 | 国内配送業者 | 国際配送・関税対応が必要 |
| 法規制 | 日本の法律 | 各国の輸出入規制に注意 |
越境ECを成功させるには、言語・通貨・決済・物流・法律など複数の要素をクリアする必要があります。しかしShopifyをはじめとしたツールを使えば、これらのハードルを大きく下げることができます。
次のセクションでは、Shopifyがなぜ越境ECに向いているのかを解説します。
越境ECに挑戦したい方にとって、最適なスタートラインを見つける手助けとなるはずです。
Shopifyが越境ECに向いている理由
越境ECをスムーズに始めたいなら、Shopifyは非常に相性の良いプラットフォームです。世界175か国以上で使われており、国際展開に必要な機能が網羅されています。このセクションでは、Shopifyが海外販売に強い理由を3つの視点から詳しく解説します。
多言語・多通貨対応でグローバル展開に強い
越境ECでは、購入者の「言語」や「通貨」が自国とは異なるのが当たり前です。Shopifyでは、その点をクリアするための機能が標準で備わっています。
✅ 多言語機能の特長
- Shopifyの多言語対応テーマを使えば、英語・中国語・フランス語など多数の言語に対応可能
- 管理画面から言語別のページ作成が簡単にできる
- WeglotやLangifyなどの翻訳アプリを使えば自動翻訳とネイティブチェックが可能
✅ 多通貨対応の便利さ
- 顧客がサイト訪問時のIPアドレスに基づき自動で通貨を表示
- 為替レートも自動連動で更新され、現地価格表示に対応
- 支払いも各国の決済手段に対応（例：PayPal、Shopify Payments、Alipayなど）
特にShopify Plusでは、国・言語ごとにサイトを複数立ち上げるマルチストア戦略も可能。規模が大きくなっても安心です。
海外発送サービスとの連携がスムーズ
商品を販売して終わりではなく、「どうやって海外に届けるか」は越境EC成功のカギです。Shopifyは、多くの国際配送業者と連携しており、発送業務を自動化できます。
✅ 連携可能な主な配送サービス
- DHL Express
- FedEx
- 日本郵便（EMSなど）
- Yamato（国際宅急便）
さらに、Ship&coやEasyshipなどのアプリを導入すれば、以下のようなことが実現します。
- 注文情報を自動取得
- 送り状・関税書類の自動生成
- トラッキング番号の自動通知
配送ラベルの印刷から関税処理までワンストップで行えるため、人的ミスや発送遅延のリスクが減り、信頼性の高い運営が可能です。
Shopify Marketsや海外対応アプリが豊富
Shopifyには、越境EC向けに設計された「Shopify Markets」という専用機能があります。これを使うことで、世界各国に向けた販売設定が簡単にできるようになります。
✅ Shopify Marketsでできること
- 各国ごとの通貨・価格・ドメイン・言語設定が可能
- 国や地域ごとの税率・関税設定
- 一元管理されたダッシュボードでの注文・顧客データの管理
また、Shopifyのアプリストアには、越境EC向けの便利なアプリが多数そろっています。
- Weglot：自動翻訳＋手動調整で多言語化
- Multi‑Currency Converter Hero：通貨自動表示
- GeoIP Country Redirect：地域に応じたリダイレクト機能
- Translate & Adapt（Shopify公式）：無料の翻訳＆ローカライズ支援アプリ
これらのアプリを組み合わせることで、単なる「海外対応」ではなく、「現地最適化された越境ECサイト」が構築できます。
Shopifyは、多言語・多通貨・国際配送・ローカライズの4つの柱をしっかりサポートしており、まさに越境ECのためのプラットフォームと言っても過言ではありません。
次のセクションでは、越境ECにおすすめのツールや連携サービスを紹介します。実際の運用で役立つツール選びに役立つ情報です。続きをご覧ください。
Shopifyで越境ECを始めるためのステップ
Shopifyを使って海外向けに商品を販売するのは、初めてでも段階を踏めば難しくありません。ここでは、越境ECを始めるための5つのステップをわかりやすく解説します。
STEP1：アカウント登録（３日間無料体験）
Shopifyを始めるには、まず公式サイトからアカウントを作成します。クレジットカード不要で3日間の無料トライアルを体験できるのが魅力です。
✅ 登録の流れ
- Shopifyの公式サイト（https://www.shopify.com/jp）にアクセス
- メールアドレスとパスワードを入力
- ストア名を決めて登録完了
無料期間中にストアの初期設定やデザイン、商品登録を進められるので、リスクゼロで試せるのがうれしいポイントです。
STEP2：ストアの言語・通貨設定
越境ECでは、海外のユーザーに合わせた「言語」と「通貨」の対応が必須です。Shopifyでは、管理画面から簡単に多言語・多通貨の設定が可能です。
✅ 多言語化の設定方法
- Shopifyテーマが多言語対応しているか確認
- 「設定＞言語」から追加言語を選択
- 翻訳アプリ（例：WeglotやTranslate & Adapt）を活用すれば翻訳も自動化できる
✅ 多通貨表示の設定
- Shopify Paymentsを利用している場合、各国通貨を自動表示できる
- 顧客のIPアドレスに応じて通貨を切り替えるアプリも利用可能
この設定により、現地の顧客が言語や通貨で違和感なく購入できる環境が整います。
STEP3：配送・決済方法を海外対応に設定
Shopifyで越境ECを行う際は、海外発送と海外決済の設定も忘れてはいけません。
✅ 配送の設定
- 「設定＞配送と配達」から、配送エリアを「全世界」や「アジア」「北米」などに設定可能
- Ship&coやEasyshipといったアプリを使えば、DHLやFedEx、日本郵便などの国際配送がスムーズに連携可能
- 関税書類の自動出力、配送ラベルの印刷にも対応
✅ 決済の設定
- Shopify Paymentsを有効化すれば、Visa、Mastercard、PayPalなど主要ブランドに対応
- 地域によってはAlipay、Apple Pay、Google Payなども選択可能
信頼性のある配送・決済が用意されていることで、海外顧客のカゴ落ちを防ぎやすくなります。
STEP4：商品登録とローカライズ（翻訳など）
次は商品登録です。国内向けと違い、商品の説明・写真・価格表示など、ローカライズが重要になります。
✅ 商品登録のポイント
- 商品名、説明文をターゲット言語に翻訳
- 使用方法や注意点もできるだけ丁寧に書く
- 翻訳精度が気になる場合は、Gengoのようなプロ翻訳サービスの利用もおすすめ
✅ 商品画像の注意点
- 海外では文化的背景により、画像から受ける印象が異なる場合も
- 清潔感、サイズ比較、使い方のわかる写真を意識する
Shopifyの管理画面から簡単に複数言語の商品情報を登録できるので、一つの商品を多言語で展開することも可能です。
STEP5：販売チャネル（SNSやマーケットプレイス）連携
Shopifyでは、自社サイトだけでなく外部プラットフォームやSNSとの連携が可能です。これにより、海外のユーザーにアプローチしやすくなります。
✅ 対応しているチャネル例
- Instagram Shop、Facebook Shop
- Google Shopping
- Amazon・eBay（外部連携）
- PinterestやTikTokとの広告配信連携
SNS連携は、広告やタグ付け投稿から直接商品ページに誘導できるため、認知から購入までの導線が短くなるのが特徴です。
✅ 販売チャネルの設定方法
- Shopify管理画面の「販売チャネル」から追加可能
- 各チャネルのガイドに従って認証・連携を行うだけでOK
多くの顧客接点を持てることで、海外展開のスピードと規模を効率よく広げられます。
以上が、Shopifyで越境ECを始める際の基本ステップです。どの工程もShopifyの操作性を活かせば初心者でも取り組みやすく、国境を越えて売る仕組みをシンプルに構築できます。次のセクションでは、具体的なおすすめツールや支援サービスについて紹介していきます。
海外販売に役立つおすすめツール・サービス5選
越境ECをスムーズに進めるためには、Shopifyと組み合わせて使える外部ツールやサービスの活用が不可欠です。このセクションでは、翻訳、多言語対応、海外発送、送金といった海外展開で重要な要素をカバーするおすすめの5つのツール・サービスをご紹介します。
Ship&co｜世界中に簡単に発送できる
Ship&co（シップアンドコー）は、越境ECで頻繁に発生する海外発送業務を効率化できるクラウド型の配送管理ツールです。Shopifyとシームレスに連携でき、DHL、FedEx、日本郵便など多数のキャリアに対応しています。
主な特徴
- Shopifyの注文情報を自動取得
- ワンクリックで海外用送り状（インボイス含む）を作成
- 国際送料を自動計算
- 配送状況の追跡も可能
特に、複数の海外キャリアを比較しながら最適な発送方法を選びたい人にはぴったりのサービスです。英語や多言語対応もあり、EC初心者でも迷わず使える設計です。
WOVN.io｜既存サイトを多言語化
WOVN.ioは、既存のWebサイトやShopifyストアを複数言語に対応させる多言語化ソリューションです。越境ECでは現地言語で情報提供することが信用獲得につながるため、多言語化は大きなポイントになります。
主な特徴
- HTMLの書き換え不要、タグを埋め込むだけ
- 対応言語は40ヶ国語以上
- 翻訳管理も一元化
- 翻訳精度の選択（自動 or 人力翻訳）
SEO対策にも有利で、Google検索での海外流入を狙いたい人におすすめです。企業向けにはカスタマイズプランも用意されており、大規模ECにも対応可能です。
Gengo｜プロのネイティブ翻訳を依頼できる
越境ECにおいて信頼される商品説明を作るには、自然な翻訳が欠かせません。**Gengo（ゲンゴ）**は、クラウド翻訳プラットフォームで、世界中のプロ翻訳者に依頼できるサービスです。
主な特徴
- ネイティブ翻訳者による高品質な文章
- 1文字5円程度〜と低価格
- 60以上の言語に対応
- AmazonやRakuten Globalでも採用実績あり
例えば、医療・美容・雑貨など微妙なニュアンスが大切な商品の説明文には、機械翻訳よりもGengoのような人力翻訳が効果的です。翻訳スピードも速く、納期も柔軟に選べます。
Wise｜低コストで海外送金・入金を実現
Wise（旧TransferWise）は、海外送金のコストを圧倒的に抑えられるフィンテックサービスです。越境ECでは、現地からの売上の受け取りや、外注費の支払いが発生しますが、銀行経由では手数料が高くなりがちです。
主な特徴
- 銀行の最大8倍安い手数料
- 為替レートは実勢レート（中値）に近い
- アカウント作成無料、維持費ゼロ
- 世界40以上の通貨で受け取り口座を発行可能
Shopify Paymentsと組み合わせて各国通貨で売上を受け取る→Wiseで日本円に変換という流れが、手数料の削減に効果的です。
Shopifyアプリ｜ローカライズや税制対応もできる
Shopifyには公式アプリストアがあり、越境EC向けに特化したアプリも豊富です。例えば以下のようなアプリが人気です。
おすすめの越境EC向けアプリ
- Translate & Adapt：自動翻訳＋手動修正対応の多言語化アプリ
- MarketPro：各国の消費税・関税・配送条件に対応
- Geolocation：顧客の地域に合わせて通貨や言語を自動変更
- Easyship：インボイスや関税書類を自動作成する発送アプリ
これらのアプリをうまく活用すれば、Shopifyだけで本格的な越境EC体制を構築することも可能です。選択と組み合わせ次第で、小規模から大規模までスケーラブルな運営が実現します。
海外販売を成功させるには、ツール選びが鍵です。今回紹介した5つのサービスは、どれもShopifyとの相性が良く、初心者でも扱いやすいものばかり。すべて無料で試せるか、無料プランがあるので、まずは一度使ってみるのがおすすめです。次のセクションでは、導入時の注意点やツールの組み合わせ方を詳しく解説します。
成功事例に学ぶShopify越境ECのリアル
Shopifyを使って越境ECに挑戦する企業は年々増加しています。実際に成功している企業の例を見ることで、自分のビジネスに活かせるヒントが得られるはずです。このセクションでは、国内の中小企業がShopifyで越境ECを成功させた事例や、SNS活用で海外ファンを獲得した例、そして注意すべき失敗事例を紹介します。
国内中小企業が月商100万円を達成した事例
ある日本の伝統工芸品メーカーは、Shopifyを使って海外向けの直販ECサイトを構築しました。元々は国内中心に販売していたものの、外国人観光客から「オンラインで買えないの？」という声を多く受けたことがきっかけです。
ポイント
- Shopifyストアは英語・中国語・日本語の3言語で展開
- 商品ページには職人の写真や製作工程動画も掲載し、文化的背景も訴求
- アプリを使って関税・配送手続きの簡略化を実現
- 海外配送にはShip&coとDHLを併用
公開から半年で海外売上が急増し、月商100万円以上を安定して達成。米国・シンガポール・香港が主要マーケットとなっています。地道な翻訳対応と、SNSでの文化発信が功を奏しました。
SNS活用で東南アジアにファンを獲得した事例
ファッション系D2Cブランドが、Shopifyを活用してタイ・マレーシア市場への進出を実現したケースです。商品の世界観を伝えるために、InstagramとTikTokの運用に力を入れました。
実施内容
- Instagramは英語と現地語のハッシュタグで投稿
- TikTokでは現地インフルエンサーとのコラボ動画を配信
- Shopifyアプリ「Instafeed」を使い、SNSと商品ページを連動
- 支払いはWiseで現地通貨を円に変換
結果として、1年足らずで東南アジアのリピーター率は30%以上に。フォロワー数は合計20万人超となり、海外からの口コミも増加しました。SNSとShopifyの連携により、言語や通貨の壁を越えたブランドづくりが可能になった好例です。
失敗から学ぶ｜よくある越境ECの落とし穴とは
一方で、越境ECには失敗するパターンも存在します。Shopifyを導入したものの成果が出なかった国内雑貨店の例では、以下の課題が挙げられました。
失敗要因
- 多言語化を自動翻訳アプリだけに依存し、不自然な表現が増えた
- 海外配送における送料設定が複雑で、カート放棄率が高かった
- 現地の決済手段に対応していなかった
- 商品説明やタグのSEO対策が不十分で、海外検索からの流入が少なかった
このように、翻訳品質・配送設計・現地対応の不備は大きなマイナスになります。特に初期段階では「最低限の現地最適化」ができているかをチェックすることが重要です。
成功と失敗の差は「現地視点」
成功事例に共通するのは、「海外ユーザーが安心して買い物できる仕組み作り」がされていることです。多言語対応・現地配送の最適化・通貨や税制への配慮・SNSでの世界観づくりなど、すべてが信頼構築に直結します。
逆に、日本仕様のまま海外向けに公開してしまうと、信頼されず購入に至りません。そのため、ローカライズの精度を上げ、少しずつ改善していく姿勢が大切です。
次のセクションでは、こうした成功を実現するために意識したい導入時のポイントや注意点を解説します。最初の一歩を誤らないよう、慎重にツールを選び、運用体制を整えていきましょう。
越境ECで気をつけたいポイントと注意点
越境ECは大きなビジネスチャンスですが、その裏には見落としがちなリスクや国際的なルールも多く存在します。スムーズな運営を続けるためには、法律・文化・顧客対応といったポイントに注意を払うことが不可欠です。このセクションでは、Shopifyなどのツールを活用して越境ECを行う際に注意すべき点を詳しく解説します。
関税・禁制品など各国の法律
海外へ商品を販売・発送する際は、販売国ごとの法律や輸出入のルールをしっかりと理解しておく必要があります。無意識のうちに法律違反をしてしまうと、商品の没収・罰金などのトラブルに発展する可能性もあります。
特に注意すべきポイント
- 関税・VAT（付加価値税）：商品の価格に関税や税金が追加される場合があり、購入者が受け取り時に追加料金を請求されることも
- 禁制品の確認：アルコール・化粧品・食品・医薬品などは国によって規制が異なる
- 輸出管理制度：一部の電子機器や軍事転用可能な製品などは、日本の輸出管理法（外為法）に抵触する可能性あり
販売前に、各国の税関サイトや大使館ページなどをチェックして、商品が合法的に送れるかどうかを確認することが大切です。
翻訳や文化的表現の違いに配慮
多言語対応をする際に、単純な翻訳だけで済ませてしまうとトラブルのもとになります。文化的背景や価値観が異なる国では、同じ言葉でも受け取られ方が大きく変わることがあるため、**ローカライズ（現地最適化）**が重要になります。
具体的な注意点
- 直訳では伝わらないニュアンス：たとえば「こだわり」や「和風」などは、英語にそのまま訳しても意味が通じない
- 文化的タブーに配慮：色やモチーフ、言い回しが国によって不快に感じられる場合もある
- 単位・表記の違い：インチとセンチ、ドルと円、日付表記（MM/DD/YYYYなど）
対応策としては、**ネイティブ翻訳者（Gengoなど）やローカライズ専門ツール（WOVN.ioなど）**の活用がおすすめです。
返品対応や現地カスタマーサポートの重要性
越境ECでは、商品が届かない・破損していた・思ったものと違うといったトラブルも起こりやすく、現地ユーザーからの問い合わせやクレームへの対応が必要不可欠です。
気をつけたいポイント
- 返品ポリシーの明記：国際送料の負担・返送先住所・返品条件などを明確に提示
- 多言語でのカスタマーサポート：英語だけでなく、主要マーケットの言語対応があると信頼感がアップ
- 返信のスピードと丁寧さ：時差があるため、自動返信やチャットボットをうまく活用するのも一案
Shopifyでは、ZendeskやTidioなどのカスタマーサポートアプリと連携することで、顧客対応を効率化できます。現地パートナー企業と連携し、返品拠点を現地に設ける事例も増えています。
安心して越境ECを運営するために
これらのリスクを回避するには、事前調査・プロの翻訳・カスタマー対応の体制づくりが鍵となります。とくに初心者は、最初から全世界に対応しようとせず、まずは1～2か国に絞ってスタートするのがおすすめです。小さく始めて、徐々にマーケットを広げることで、安定した越境ECビジネスが築けます。
Shopifyのよくある質問（FAQ）
越境ECを始めようと思っても、最初は分からないことが多く、不安もつきものです。このセクションでは、Shopifyを活用して海外販売を始めたい人がよく抱える疑問に対して、分かりやすく解説します。
Q. 英語ができなくても越境ECは可能？
はい、英語が話せなくても越境ECを始めることは可能です。Shopifyには日本語の管理画面や操作マニュアルが整備されており、基本的な設定は日本語で完結します。また、WOVN.ioなどの多言語対応ツールを導入すれば、自動翻訳でサイト全体を英語や他言語に対応させることも可能です。
ただし、カスタマー対応や商品説明文の質を上げるには、プロの翻訳サービス（例：Gengo）の活用やChatGPTなどのAIツールでのサポートを組み合わせると安心です。
Q. Shopifyだけで海外販売は完結できる？
Shopifyだけでも越境ECの基本的な流れを構築することはできます。多言語・多通貨対応、海外発送設定、決済機能など、海外販売に必要な機能が一通り揃っています。
ただし、実務面では外部サービスとの連携が鍵になります。たとえば以下のようなツールと連携することで、より効率的な運営が可能です。
- Ship&co：国際配送ラベルの自動生成
- Wise：低手数料で海外送金や入金管理
- 翻訳アプリやチャットボット：現地顧客とのスムーズなやりとり
Shopifyは多くの外部サービスと柔軟に連携できる点が大きな強みです。
Q. 商品はどこから発送すればいい？
多くの事業者は日本国内から海外へ発送しています。Shopifyでは、配送オプションを設定し、どの国にどの料金で配送するか細かく管理できます。
発送元については以下の選択肢があります。
- 自社倉庫や事務所からの発送
- Amazon FBAなどのフルフィルメントサービス
- 転送コムやBaggageForwardなどの転送業者
国際配送には関税や禁制品などのルールがあるため、事前に発送国の税関情報を確認しておくことが重要です。
Q. Amazon海外販売とShopifyの違いは？
Amazonでの海外販売（Amazon Global Selling）とShopifyによる越境ECでは、大きく次のような違いがあります。
| 比較項目 | Shopify | Amazon |
|---|---|---|
| 集客 | 自分で広告・SNS活用 | Amazon内の検索経由で集客 |
| 販売手数料 | 低め（プラン次第） | 高め（15%前後＋固定費） |
| デザインの自由度 | 高い | ほぼなし |
| 顧客情報の取得 | 可能 | 制限あり |
| ブランド構築 | 自社ブランドを育てやすい | 難しい（Amazonブランドとして売る） |
自社ブランドを大切にしたい場合やリピーター獲得を目指す場合は、Shopifyが向いています。一方、短期間で売上を作りたい場合はAmazonが向いている場合もあります。
Q. 法人でなくても始められる？
はい、Shopifyは個人事業主や副業レベルの個人ユーザーでも利用可能です。開業届や法人登記がなくても登録・運営ができ、銀行口座やクレジットカードさえあれば問題ありません。
ただし、決済サービスの導入時には本人確認書類の提出が必要になるため、あらかじめ運営に使う名義や口座情報を整理しておくとスムーズです。個人でもしっかり越境ECに取り組んでいるユーザーは多く、実際に月商100万円を超える例もあります。
まとめ｜Shopifyなら越境ECも安心して始められる
越境ECは、年々市場が拡大しており、個人や中小企業にとってもチャンスが広がっています。特に、日本の商品は品質面や独自性で高く評価されており、海外の消費者からのニーズも根強くあります。
こうした状況で、Shopifyはその多言語・多通貨対応の柔軟性、アプリによる拡張性、グローバル対応の配送・決済設定など、越境ECに必要な機能を一通り備えていることから、多くの企業・個人に選ばれています。
今回紹介した以下のようなツールやサービスを活用すれば、言語や文化の壁も乗り越えることが可能です。
- Ship&co：海外配送の効率化
- WOVN.io：既存サイトの多言語対応
- Gengo：高品質なネイティブ翻訳
- Wise：送金・入金コストの最適化
- Shopifyアプリ：税制・法律対応の自動化
重要なのは、完璧な準備を待つのではなく、まずは小さく始めて、運用しながら改善していくことです。Shopifyには14日間の無料体験もあるため、気軽に越境ECへの第一歩を踏み出すことができます。
世界中に日本の商品を届けたい方にとって、今がまさに始め時です。